立体的査定と現実的査定

こんにちは。
はなひ堂新井です。


今週は神田の交換会へ。


「月に一度は神田へ」というスローガンを年初に掲げましたが、気付けば一度も行かないまま4月になってしまいました。


これではまずいと思い(別に必要がなければ無理して行くことはないのですが(^_^;))、一念発起して月曜日に神田へ向かいました。


市は当然その日によって荷物の量や質も違うのですが、今回は新潟ではあまり見ない品物をたくさん見ることができ、またそのうち一部は買うこともできて楽しかったです。


年初に立てた目標の理由としては、当然本の売買によって在庫の質を改善させることが主たる理由ですが、それ以外には他の業者が入れる札を見ると勉強になるのと、新潟ではあまり見ない品物を見たいというのも理由としてあります。


こういった体験は全て古本屋の財産でもあり、後者は普段の買取でもまれにお客様からお売りいただく本についてお聞きしたりすることがそれに似ています。


どういうことかというと、最近「大村はま国語教室」をお売りいただいたのですが、その際にお客様が本全集について教えてくださるということがありました。


私は当然(と言って逃げてしまっていいのかどうかわかりませんが)「国語教室」を読んだことなどなく、その各巻の題名と相場にのみ気を払うしがない古本屋なのですが、この著作が別格なのはわかります。


そして本著作が大村の国語教育の集大成であることを読破されたお客様からその熱量と共に内容をお聞きすることができ、それは題名と相場という平面に生きる者に立体感を与えてくれるという貴重な体験でした。


古本屋は全ての本を読むことはできませんので、本をペラペラとすることによって内容のようなものを把握しようと努めます。


そしてその行為によって価値があるのかないのか判断可能な場合も多々ありますが、そしてその時に読もうとしているものは、本の内容というよりも「内容のようなもの」のような気がします。


また例のごとく何の話かよくわからなくなってきてしまいましたが(^_^;)、強引にまとめると、全ての本を読むことが出来ない我々にとって、ある本についての関連情報を得ることができる体験や情報はとても貴重だということです。


それが市で他の業者が入れる札であったり、お客様からお聞きする本の内容だったりするということです。


さて強引にまとまったかどうかわかりませんがこの話はここで終わらせていただきます。


本日は東区で出張買取。


介護関連の参考書等をお売りいただきました。


新しい本が多かったこともあり、全てバーコードをスキャンして相場を見て査定させていただきました。


ここまで来ると先ほどの話はなんだったのか、もはや題名さえも見ておらず、相場の動向にのみ注視する古本ディーラーのような査定となっています。


もはや「立体的な本の知識」はおろか、題名さえも必要とされない荒野が広がっていると言わざるを得ませんが、これはこれで現実的な査定の一面です。


こういった新しい本の現実的査定(?)も得意としておりますので、お気軽にお問合せください。


本日は本をお売りいただき、ありがとうございました!

はなひ堂ブログ 2018年4月5日