冬の新潟の古本屋は神田へ行く

こんにちは。
はなひ堂新井です。


祝日とはいえ神田の市場は開催されているため、新幹線で東京へ行きました。


冬の新潟の厳しさはこの仕事をするようになってから一段と強く感じられるようになりましたが(出張買取の依頼が半分以下になってしまいます(^_^;))、ですが古本屋が生きていくためには仕入れというのが売上よりも重要なため(何かおかしなことを書いているような気もしますが)、こういった買取の少ない月も仕入れの手段は必要になります(皆さまからの買取のご依頼をお待ちしております!)。


祝日ということもあり乗車率も高く、越後湯沢あたりから乗車率が100%を超えたのではないでしょうか、ぎっしりと込み合い当然私の隣も小さなお子さんが座ることになりました。


私、お子さん、そのお父さんという3人シートに座りながら私は「階段を下りる女(新潮クレスト、著ベルンハルト シュリンク)」を読んでいました。


思えばシュリンクは「朗読者」「帰郷者」と読んでいますが、それらを読んだのも本作品を購入したのもシュリンクが好きだから選んだわけではなく、私は何度も本ブログで公言しているように「新潮クレストで読んだことのないタイトルであれば全て買う」という読書ポリシーが理由で手に取ったのでした。


とはいえシュリンクは嫌いな作家ではなく、本作は読んだどの作品よりも魅力的で、一気に読んでしまいました。


その話は置いておくとして、隣のお子さんは3歳か4歳くらいでしょうか、私の娘と同じ年くらいの女の子で、シートの上で落ち着かなそうに動いていて、何度か父親に注意されていました。


「隣の人に迷惑になるから静かにしていないとダメだよ」とお父さんに叱られていましたが、その隣の人はといえば日頃から娘にはもっと過酷な扱いを受けているため、多少ぶつかられても何ら気にすることもありません。


新幹線という快適な空間で多少ぶつかられるくらい、読書中に突然二人の荒くれ者がギャーギャー言いながら私の髪を掴みつつ肩から登ってくる空間に比べれば何てことはありません。


お子さんのほうは何度も叱られているため、「私は大丈夫ですよ(^_^;)」と横から勝手に口を出してしまったのですが、果たしてこれはよかったのかどうか。


お父さんが気にされているなら申し訳ないと思って口を出したのですが、思い返すとお父さんが子供を叱っていた行為を否定するような口出しだったかもしれません。


子どもの教育は赤の他人が口を出す筋合いなどないのですが、こういった子供の肩を持つことも当然越権行為で、私は口をつぐんでいるのが正解だったのかもしれません。

はなひ堂ブログ 2019年2月12日