リスト査定を完璧にするには? ー スタッフY

こんにちは。スタッフYです。


先日買い取りをご希望のお客様から『買い取り可能な本かどうか確認してほしい』とご依頼があり、リストを送っていただいたのでした。


実はこのリスト査定はなかなかの査定精度で、リストだけでも9割査定が完了してしまうほどの破壊力があります。つまり実際に実物を見ても見積もりと査定額に差が出ないような形になっています。


これを10割にするにはどうしたらよいか…というのが今回のブログのテーマになりますが、もちろんお送りいただくリストは【書名】、【著者名】くらいで十分です(ISBNのある本であればISBNだけで十分)。


【書名】、【著者名】の2つは最低限記載するとして、1冊の本を確定するための情報には他にどのようなものがあるでしょうか。


古書を取り扱っていると同タイトルの著書が別出版社から刊行されているというのも多々目にしますが、その場合手元の本を確定させるには【出版社】が必須ですね。


例えば、石川啄木の某作品では出版社の違いで査定額が数十倍違ってきますので、この情報は古本屋的には是非とも欲しいところです。


更に言えば高い査定額をお付けできる方の出版社でも、初版か再版・重版・重刷でまた査定額が変わってしまいます。


つまり【刊行年と版】もリストには記載すべきと言えるでしょうが、さらに完璧に査定するにはどうしたらよいでしょうか。ここまでで本に記載されているその本の情報を全て挙げられたでしょうか。


いやいや、『定価』も本の重要な情報であると考えられます。


ただ、本の定価は査定額に影響しません。


古本の相場は大半が定価よりは下がる傾向にありますので、査定額と比べた時の衝撃を避けるという意味でも(笑)、記載しないほうがいいのかも(;^_^A


さて少しばかり話が逸れますが、活字本であっても漫画本であっても、その本に付属するカバーや函を皆さんはどうしているでしょうか?


私はきっちり取っておきたいタイプなので、読むときに多少読みにくくなってもカバーを捨てることはありませんし、古本を買う時には裸本ではなく、カバー有り・函有りの本を購入します。


私とは対照的に、小学生の娘は絵本のカバーは全部捨ててますし、ドラえもんのコミックはいつの間にか全てカバー無しになっていました(;^_^A


娘のために買った『小学漢字1026字の正しい書き方(旺文社)』には、いつの間にかカバー裏に記名が・・・(;^ω^)


学校で新しい教科書やノートが配られると各自で記名をすることになっているようで(こういうのは全て親の仕事かと思っていたので驚きました)のびのびとしたサイズで名前を書いています。その調子で家の本にも名前を書いたようですね。


自分が読むのに支障がなければ、カバーが有ろうが無かろうが、記名が有ろうが無かろうが問題ではないのですが、その本を売る時にはやはり査定額には関わりますので、【本の状態】も記載があると良いですね。


ちなみに、読めない状態・・・ページに欠けがある、汚れや線引きや塗りつぶしのせいで本文が読めない、参考書の設問部分に解答の書き込みがある等・・・でなければ査定額がつく可能性はあります。


ヤケやシミなどの経年劣化は避けられないものなので、手元に実物が無いときには経年並という想定で査定をさせていただくことになりますが、あまりにも強いヤケ・シミの場合には是非ともその情報は欲しいです。


これではここまでの話を踏まえて、実際にリスト数点を作成してみます。


1、【赤い蠟燭と人魚】【小川未明 文、酒井駒子 絵】【偕成社】【2002年2刷】【カバー装・絵本】【カバー・帯付き】【ヤケ、少しシミ有り】


2、【金曜日の砂糖ちゃん】【酒井駒子】【偕成社】【2003年2刷】【カバー装・絵本】【カバー付き】【少しヤケ有り】


3、【小川未明文学館図録・小川未明の世界】【上越市】【2006年】【状態良好】(※2)


(※2)図録はその大半がカバー無しの冊子のような形状をしているので、カバー有無は記載しませんでした。カバーも函も無い本を『裸本』と言いますが、元からついていない裸本なのかカバーが無くなってしまったため裸本なのかが分かると古本屋は助かります(^^)


さて。実際に記載を見ていかがでしょうか。これを何十冊、何百冊とリストにするのは中々大変だと思います。そしてここまでリストになっているのであれば、ご自分でメルカリ等で販売されたほうがよい気もします(^_^;)


リストでの査定のご相談も、していただくのはもちろん構いませんが、冊数や内容によっては対応ができないこともございます。


つまり、お売りいただく際の現実としては、可能な限り、店頭にお持ち込みいただいたり、出張買取や宅配買取のご依頼をいただく方がお客様のご負担は圧倒的に少ないのかもしれないと思う次第です。

はなひ堂ブログ 2023年4月22日